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竈門山でつくられたお薬師様 筑前町「薬師仏」

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昨年国史跡に指定された宝満山は豊かな自然と人々の信仰、歴史
ある遺構に彩られた山ですが、信仰の山ならではの伝承も数多く
伝えられています。

その一つに、天台宗を開き比叡山延暦寺を創建した最澄(伝教大師)
にまつわるものがあります。

延暦22年(803)、入唐のため太宰府に至った最澄は渡海の無事
と求法成就を祈って竈門山寺で薬師仏を7体造ったと伝えられて
います。

7体は太宰府の有智山寺や筑紫野市の武蔵寺など7か所の薬師堂に
祀られたといわれており、そのうちの1体が現在の筑前町朝日に
あった日照寺に安置されたと伝えられています。

日照寺は広大な面積を誇る大寺で、平安時代から鎌倉時代にかけ
て大いに栄えたと考えられています。

日照寺はその後、度重なる戦乱によって焼失してしまいますが、
地域に人々の手によって薬師仏を祀る御堂が再建され、桃山時代
の作と思われる薬師如来が安置され、現在も地域の方々からは
「おやくっ様」と親しまれ大切に守り続けられています。

お祀りする御像や建物は移り変わっても、人々の信仰は変わらず
に受け継がれていることを教えてくれる貴重な文化遺産です。