ボランティア活動

協会で活動している3つのボランティアを紹介します

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万葉植栽ボランティア
「ゆづるはの会」

太宰府市には市域面積の約17パーセントを占める貴重な史跡地がありますが、公有化されたものの未整備のままの状態の土地に、ゴミが放置されるなどの事態が生じたこともありました。そこで、その史跡地を有効に活用し、また歴史の散歩道をたどる人々が、大宰府政庁などが建っていた頃の野山の風景を少しでも想像していただけるようにと、平成7年7月から「万葉の花講座」を開催し、万葉植物の勉強をし、実際に苗を植え始めたのがこの会の始まりです。平成21年度よりこの会の名称を「ゆづるはの会」としました。史跡地に彩りを添え、季節ごとに変わる万葉の草花を市民や観光客の方に楽しんで頂いています。

ボランティアの日々の活動をお伝えします

万葉植栽日記

2021年 04月21日
令和3年度 第2回 八ッ橋花菖蒲の手入れ
 今日は出席者20名全員で八つ橋の花菖蒲園の手入れです。作業は花菖蒲の株周りの雑草を取り除き、その株周りに堆肥を混ぜ込みさらに化成肥料を施しました。
 花菖蒲園は木の橋の周りの4つの区画に約160株の花菖蒲があります。5月中・下旬には一斉に花が開き大変美しい情景になり、ここを訪れた方々は揃って賞賛の歓声を上げられます。その声を聴くたびにボランティア活動の喜びを感じるため、作業は自然と力が入ります。
 八つ橋花菖蒲園の位置は、政庁跡の北側出口から坂本八幡宮に通ずる小道の途中にあり、小さな木の橋が幾段にも連なり風情のある雰囲気を漂わしています。
 八つ橋という珍しい名前の由来についてご存じの方も有るかと思いますが少しだけ。
 八つ橋という言葉が初見されるのは、平安時代初期の歌人である在原業平が書いた「伊勢物語九段東下り」に出てきます。
 その項には、「昔、男がいた。三河の国・八橋という所にたどり着いた。その地を八橋と言ったのは、水の流れる河が蜘蛛の足のように四方八方に分かれているので、橋を八つ渡してあることから八橋と言った。その沢には燕子花がとても綺麗に咲いている。」と書かれています。
 また、江戸時代の日本画家・尾形光琳が描いた「燕子花図屏風」(国宝指定)は、この八橋の情景を描いたものと言われています。
 政庁跡の史跡地の一角に、誰がこの様な風情ある名前を付け、その一帯に花菖蒲を植えたのか・・・。さぞかし教養に富んだ方であったんだろうと想像するとともに、今となっては感謝し、この八ッ橋花菖蒲園をしっかり守っていこうと意を強くしているところです。